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対数とは、任意の数 x を a を底とする指数関数により x = ap と表したときの冪指数 p の事である。

p = loga(x) と書いて pはa を底とする x の対数という。対数関数 loga(x) は、指数関数 ax逆関数として定義される。


概要 編集

対数により、の計算を、より簡単なの計算に置き換えることができる。近似値での計算になるので、有効数字に注意する。対数を得るには、対数表という数表を使うなどする。

2つの実数 x, y の積を求めたいとする。別の正の数 a ≠ 1 に対して、

 x = a^p
 y = a^q

とおくと、指数法則

 a^p a^q  = a^{p+q}

が成り立つことより、以下の手順によって積 xy を求めることができる。

  1. 対数表を参照するなどして x を p に、y を q に変換する。
  2. 和 p + q を計算する。
  3. 対数表を逆に参照するなどして p + q の結果を ap+q に変換する。
  4. これが求める積 xy である。

この計算で用いる p を p = loga(x) と書き a をとする x の 対数という。対数 p において x を真数(しんすう)という。

q も a を底とする y の対数であり q = loga(y) と書く。

歴史 編集

対数の概念は、16世紀末にヨスト・ビュルギやジョン・ネイピアによって考案され、便利な計算法として広まった。ヨーロッパでは日本の九九のような、かけ算を語呂よく暗記する方法が無かったために、足し算はできるがかけ算を苦手とする人が多かった。数学に長けた者にとっても、 x や y の桁数が大きい場合は、計算機がなかった時代において非常に便利な計算方法であった。ネイピアは、20年かけて対数表を作成し1614年に発表した。対数の値を長さに換算した目盛りを持つ物差しを使用して、以上の計算手順を簡単に行えるようにしたものが対数計算尺である。対数は煩雑な計算にかける労力を大幅に減らし、ヨハネス・ケプラーによる天体の軌道計算をはじめとして、その後の科学の急激な発展を支えた。

対数表の近似精度を高めることはネイピア以降もしばしば行われ、産業政策にも利用された。1790年にフランスで ガスパール・ド・プロニー が失業中の理髪師たちを集めて雇用し計算させたのをはじめに、チャールズ・バベッジの階差機関への挑戦(1827年)や20世紀初頭アメリカ・ニューディール政策における公共事業促進局の実施する対数表プロジェクト (Mathematical Tables Project) において精度向上の試みが行われた。

指数関数的に変化する量を対数に変換してみると線型性などの綺麗な性質が浮かび上がったり、双曲線の面積を求める時などに用いる積分 ∫ x−1 dx に現れたりするなど対数は簡便な計算法以上の意味を持つことも多く、いろいろな場面で現れ、詳しく研究されてきた関数の一つでもある。

関数電卓やパソコンなどが広く使われる現代においても、厳密な値を必要としない(有効数字の桁数の少ない)計算をする際には便利な方法である。

定義 編集

一般には複素数で定義される。

指数関数を用いた定義 編集

正の実数 a ≠ 1 をとると、 任意の正の実数 xに対し

 x=a^p\,

を満たす 実数 p が唯一つ定まる。この p を

 p=\log_a x\,

と書き、p のことを a をとする x の対数という。このとき x のことを真数という。この対数の定義はオイラーによる。

演算法則からの定義 編集

正の実数 a ≠ 1 をとる。正の実数 x を変数にとる実数値連続関数 f(x)

 f(xy)=f(x)+f(y)\,
 f(a)=1\,

を満たすとき

 f(x)=\log_{a} x\,

と書き、f(x) のことをaとする対数関数という。

特殊な底 編集

1 以外の正の実数であれば底に何を用いてもよいが、分野によって慣例的によく用いられる底があり、底が省略されることも多い。

 \log x\,

のように底が省略されている場合は、前後の文脈や扱われている分野によって底が何か判断される。

自然対数 編集

自然対数は、ネイピア数を底とする対数 である。[1]

歴史的には、オランダのニコラス・メルカトルによって、1668年に、1/xの積分として見出された。

\log x = \int_1^x {1 \over t}dt

自然対数の定める関数 log x指数関数 ex逆関数である。

分野によっては、log x と書いたときに常用対数や底が 2 の対数と紛らわしい場合などがあるため、ラテン語: logarithmus naturalis であることを強調して、特に{\rm ln}\,xと記すこともある。

複素数の対数関数 編集

0 でない複素数 z を極座標表示して

z = r e^{i\theta}\,

と書けたとする。対数関数は指数関数の逆関数なので

\log z = \mathrm{ln}\,r + i\theta (ln z とすることはあまりない)ということになるが、この θ の選び方は一通りではなく 2π の整数倍だけ異なる値を選ぶことができる。このことにより、複素数の対数関数は多価正則関数である。

定義域を制限することによって、その定義域の上では正則な一価関数となるように θ の選び方を定めることができる。定義域は 0 を含まない単連結領域ならどれでもよいが、よく使われるのは複素平面から 0 と負の実数を除いた領域であり、変数の偏角が-π < θ < π の範囲を動き、r e^{i\theta} \mapsto \mathrm{ln}\,r + i\thetaによって正則な一価関数が得られる。この関数を対数関数の主値と呼び、

\mathrm{Log}\, z

と書くことがある(Ln z とすることはあまりない)。

複素対数関数は、実の対数関数の満たす恒等式を満たすとは限らないので注意が必要である。例えば Log ez = z や Log (zw) = Log z + Log w は一般には成り立たない。指数関数も参照。

自然対数の様々な表示 編集

指数関数xt = et log xt に関する導関数がxtlog xと書けることから、次のような自然対数の表示が得られる:

\log x = \lim_{t \to 0} \frac{x^{t} - 1}{t} = \lim_{n \to \infty} n (x^{{1}\over{n}} - 1)

2の自然対数 編集

2の自然対数(にのしぜんたいすう)は、自然対数関数 logx の x=2 での値であり、

\log 2 \,

と表記する。[2]

数学的性質 編集

ディリクレイータ関数

\eta (s) = \sum_{n=1}^\infty \frac { (-1)^{n+1} }{n^s}

と定義されるので

\eta (1) = \log 2 \,

である。

また log2 は多数のBBP系公式で表される他に、以下のような級数でも与えられる。[3]

 \log2 = 10\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{e^{n\pi}+1} + 6\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{e^{n\pi}-1} -4 \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{e^{2n\pi}-1}
 \log 2 = \frac{3}{4}-\frac{1}{8} \sum_{n=0}^\infty \binom{2n}{n}\frac{(-1)^n(5n+1)}{16^n (n+\frac{1}{2})}

また \sum_{n=1}^\infty \frac{ (-1)^{n+1}}{n} の第N項までの部分和と log2 との差は以下のように表される。

\sum_{n=1}^N \frac{ (-1)^{n+1}}{n} - \log 2 = (-1)^N \left( \frac{1}{2N} + \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n T_n} {4^N N^{2n}} \right)

ここで Tn はn番目のタンジェント数である。

積分では

\int _1^2 \frac{dx}{x} = \log 2

であるから、双曲線 y = \frac{1}{x}直線 x=1,x=2 および y=0(x軸)とに囲まれた図形面積は log2 である。 また、

\int_2^\infty \frac{dx}{x ln^2 x} = \frac{1}{log 2}

も成立する。

リンデマンの定理より log2 は超越数であり、したがって無理数である。

log2 が正規数かどうかは分かっていない。

その他の性質 編集

原子核反応や化学反応の速度は反応物質の濃度に比例する場合が多い。この法則をもとに濃度の半減期を求めると以下のように log2 が現れる。まず濃度を C 、反応速度定数を k とおくと、C を時間 t で微分したものがこの場合の速度なので

 - \frac{dC}{dt} = kC

となる。濃度は単調減少するので速度の符号は負であることに注意。ここで初期条件として t = 0C = C_0
境界条件として t = \tau(=半減期)では濃度が半減しているので C = \frac{C_0}{2} を与えて定積分すると

\int_{C_0}^{\frac{C_0}{2}} \frac{dC}{C} = \int_{0}^{\tau} -kdt
\log {\frac {\frac{C_0}{2}} {C_0}} = -k \tau
\log 2 = k \tau \,

したがって log2 は反応速度定数と半減期のである。

また複利計算での「倍増期」でも log2 は現れる。まず元金を X (X>0)、年利率を r (r>0) とし、n年後に元利合計が2倍になるならば

 X(1+r)^n = 2X \,

両辺の対数をとると

 n \log (1+r) = \log 2 \,

したがって「倍増期」n は以下のように求まる。

 n = \frac {\log 2}{\log (1+r)}

ここで r が1に比べて十分小さいと仮定すると \log (1+r) \simeq r \quad (r \ll 1)  なので

 n \simeq \frac {\log2}{r} \simeq \frac {0.7}{r}

となる。すなわち「倍増期」の年数は0.7を年利で割った値で近似できる。70をパーセント表示の年利で割った値ともいえる。例えば年利が2%ならば「倍増期」は 70÷2 で約35年となる。この法則は70の法則(または72の法則)と呼ばれる。

常用対数 編集

常用対数は 10 を底とする対数のことである。数の表記で通常用いられる十進法表示と親和する。[4]

概要 編集

底である 10 はしばしば省略を受け、単に log x と書かれる。このような省略は文脈上誤解の無い場合に行われ、常用対数の場合それは、工学や天文学等の十進法に基づく科学的記数法の用いられる文脈であると考えられる。

かつてはコンピュータで数値計算に用いられていたが、現在は十六進法表示による処理に伴いほとんど使われていない。

常用対数の値は、その真数の十進法表示がどの程度の桁数であるのかを示す指針となる。実際、x が自然数のとき、x の桁数は、log x の整数部分 [log x]([ ] はガウス記号)に 1 を足した数に等しい。また、0 < x < 1 のとき、x の小数首位(小数点以下に最初に現れる、0 でない桁)は、−[log x] に等しい。

底の変換公式 loga x logb a = logb x によれば、常用対数の値は同じ数を真数とする自然対数の log10 e = 約 0.43 倍の値を示す。

常用対数表 編集

任意の正の数 x は x = a × 10s(1 ≤ a < 10, s は整数)と表せる。したがって、常用対数 log10 x の値を知るには、log10x = log10 a + s より、真数が1以上10未満の値を知ればよい。

常用対数表は、左の列に真数の小数第1位まで、上の行に真数の小数第2位が書かれている。例えば、log10 1.23 の値は、1.2 の行と 3 の列を読むことより、約0.0899 である。

数   0     1     2     3     4     5     6     7     8     9
1.0 .0000 .0043 .0086 .0128 .0170 .0212 .0253 .0294 .0334 .0374
1.1 .0414 .0453 .0492 .0531 .0569 .0607 .0645 .0682 .0719 .0755
1.2 .0792 .0828 .0864 .0899 .0934 .0969 .1004 .1038 .1072 .1106
1.3 .1139 .1173 .1206 .1239 .1271 .1303 .1335 .1367 .1399 .1430
1.4 .1461 .1492 .1523 .1553 .1584 .1614 .1644 .1673 .1703 .1732
1.5 .1761 .1790 .1818 .1847 .1875 .1903 .1931 .1959 .1987 .2014
1.6 .2041 .2068 .2095 .2122 .2148 .2175 .2201 .2227 .2253 .2279
1.7 .2304 .2330 .2355 .2380 .2405 .2430 .2455 .2480 .2504 .2529
1.8 .2553 .2577 .2601 .2625 .2648 .2672 .2695 .2718 .2742 .2765
1.9 .2788 .2810 .2833 .2856 .2878 .2900 .2923 .2945 .2967 .2989
2.0 .3010 .3032 .3054 .3075 .3096 .3118 .3139 .3160 .3181 .3201
2.1 .3222 .3243 .3263 .3284 .3304 .3324 .3345 .3365 .3385 .3404
2.2 .3424 .3444 .3464 .3483 .3502 .3522 .3541 .3560 .3579 .3598
2.3 .3617 .3636 .3655 .3674 .3692 .3711 .3729 .3747 .3766 .3784
2.4 .3802 .3820 .3838 .3856 .3874 .3892 .3909 .3927 .3945 .3962
2.5 .3979 .3997 .4014 .4031 .4048 .4065 .4082 .4099 .4116 .4133
2.6 .4150 .4166 .4183 .4200 .4216 .4232 .4249 .4265 .4281 .4298
2.7 .4314 .4330 .4346 .4362 .4378 .4393 .4409 .4425 .4440 .4456
2.8 .4472 .4487 .4502 .4518 .4533 .4548 .4564 .4579 .4594 .4609
2.9 .4624 .4639 .4654 .4669 .4683 .4698 .4713 .4728 .4742 .4757
3.0 .4771 .4786 .4800 .4814 .4829 .4843 .4857 .4871 .4886 .4900
3.1 .4914 .4928 .4942 .4955 .4969 .4983 .4997 .5011 .5024 .5038
3.2 .5051 .5065 .5079 .5092 .5105 .5119 .5132 .5145 .5159 .5172
3.3 .5185 .5198 .5211 .5224 .5237 .5250 .5263 .5276 .5289 .5302
3.4 .5315 .5328 .5340 .5353 .5366 .5378 .5391 .5403 .5416 .5428
3.5 .5441 .5453 .5465 .5478 .5490 .5502 .5514 .5527 .5539 .5551
3.6 .5563 .5575 .5587 .5599 .5611 .5623 .5635 .5647 .5658 .5670
3.7 .5682 .5694 .5705 .5717 .5729 .5740 .5752 .5763 .5775 .5786
3.8 .5798 .5809 .5821 .5832 .5843 .5855 .5866 .5877 .5888 .5899
3.9 .5911 .5922 .5933 .5944 .5955 .5966 .5977 .5988 .5999 .6010
4.0 .6021 .6031 .6042 .6053 .6064 .6075 .6085 .6096 .6107 .6117
4.1 .6128 .6138 .6149 .6160 .6170 .6180 .6191 .6201 .6212 .6222
4.2 .6232 .6243 .6253 .6263 .6274 .6284 .6294 .6304 .6314 .6325
4.3 .6335 .6345 .6355 .6365 .6375 .6385 .6395 .6405 .6415 .6425
4.4 .6435 .6444 .6454 .6464 .6474 .6484 .6493 .6503 .6513 .6522
4.5 .6532 .6542 .6551 .6561 .6571 .6580 .6590 .6599 .6609 .6618
4.6 .6628 .6637 .6646 .6656 .6665 .6675 .6684 .6693 .6702 .6712
4.7 .6721 .6730 .6739 .6749 .6758 .6767 .6776 .6785 .6794 .6803
4.8 .6812 .6821 .6830 .6839 .6848 .6857 .6866 .6875 .6884 .6893
4.9 .6902 .6911 .6920 .6928 .6937 .6946 .6955 .6964 .6972 .6981
5.0 .6990 .6998 .7007 .7016 .7024 .7033 .7042 .7050 .7059 .7067
5.1 .7076 .7084 .7093 .7101 .7110 .7118 .7126 .7135 .7143 .7152
5.2 .7160 .7168 .7177 .7185 .7193 .7202 .7210 .7218 .7226 .7235
5.3 .7243 .7251 .7259 .7267 .7275 .7284 .7292 .7300 .7308 .7316
5.4 .7324 .7332 .7340 .7348 .7356 .7364 .7372 .7380 .7388 .7396


5.5 .7404 .7412 .7419 .7427 .7435 .7443 .7451 .7459 .7466 .7474
5.6 .7482 .7490 .7497 .7505 .7513 .7520 .7528 .7536 .7543 .7551
5.7 .7559 .7566 .7574 .7582 .7589 .7597 .7604 .7612 .7619 .7627
5.8 .7634 .7642 .7649 .7657 .7664 .7672 .7679 .7686 .7694 .7701
5.9 .7709 .7716 .7723 .7731 .7738 .7745 .7752 .7760 .7767 .7774
6.0 .7782 .7789 .7796 .7803 .7810 .7818 .7825 .7832 .7839 .7846
6.1 .7853 .7860 .7868 .7875 .7882 .7889 .7896 .7903 .7910 .7917
6.2 .7924 .7931 .7938 .7945 .7952 .7959 .7966 .7973 .7980 .7987
6.3 .7993 .8000 .8007 .8014 .8021 .8028 .8035 .8041 .8048 .8055
6.4 .8062 .8069 .8075 .8082 .8089 .8096 .8102 .8109 .8116 .8122
6.5 .8129 .8136 .8142 .8149 .8156 .8162 .8169 .8176 .8182 .8189
6.6 .8195 .8202 .8209 .8215 .8222 .8228 .8235 .8241 .8248 .8254
6.7 .8261 .8267 .8274 .8280 .8287 .8293 .8299 .8306 .8312 .8319
6.8 .8325 .8331 .8338 .8344 .8351 .8357 .8363 .8370 .8376 .8382
6.9 .8388 .8395 .8401 .8407 .8414 .8420 .8426 .8432 .8439 .8445
7.0 .8451 .8457 .8463 .8470 .8476 .8482 .8488 .8494 .8500 .8506
7.1 .8513 .8519 .8525 .8531 .8537 .8543 .8549 .8555 .8561 .8567
7.2 .8573 .8579 .8585 .8591 .8597 .8603 .8609 .8615 .8621 .8627
7.3 .8633 .8639 .8645 .8651 .8657 .8663 .8669 .8675 .8681 .8686
7.4 .8692 .8698 .8704 .8710 .8716 .8722 .8727 .8733 .8739 .8745
7.5 .8751 .8756 .8762 .8768 .8774 .8779 .8785 .8791 .8797 .8802
7.6 .8808 .8814 .8820 .8825 .8831 .8837 .8842 .8848 .8854 .8859
7.7 .8865 .8871 .8876 .8882 .8887 .8893 .8899 .8904 .8910 .8915
7.8 .8921 .8927 .8932 .8938 .8943 .8949 .8954 .8960 .8965 .8971
7.9 .8976 .8982 .8987 .8993 .8998 .9004 .9009 .9015 .9020 .9025
8.0 .9031 .9036 .9042 .9047 .9053 .9058 .9063 .9069 .9074 .9079
8.1 .9085 .9090 .9096 .9101 .9106 .9112 .9117 .9122 .9128 .9133
8.2 .9138 .9143 .9149 .9154 .9159 .9165 .9170 .9175 .9180 .9186
8.3 .9191 .9196 .9201 .9206 .9212 .9217 .9222 .9227 .9232 .9238
8.4 .9243 .9248 .9253 .9258 .9263 .9269 .9274 .9279 .9284 .9289
8.5 .9294 .9299 .9304 .9309 .9315 .9320 .9325 .9330 .9335 .9340
8.6 .9345 .9350 .9355 .9360 .9365 .9370 .9375 .9380 .9385 .9390
8.7 .9395 .9400 .9405 .9410 .9415 .9420 .9425 .9430 .9435 .9440
8.8 .9445 .9450 .9455 .9460 .9465 .9469 .9474 .9479 .9484 .9489
8.9 .9494 .9499 .9504 .9509 .9513 .9518 .9523 .9528 .9533 .9538
9.0 .9542 .9547 .9552 .9557 .9562 .9566 .9571 .9576 .9581 .9586
9.1 .9590 .9595 .9600 .9605 .9609 .9614 .9619 .9624 .9628 .9633
9.2 .9638 .9643 .9647 .9652 .9657 .9661 .9666 .9671 .9675 .9680
9.3 .9685 .9689 .9694 .9699 .9703 .9708 .9713 .9717 .9722 .9727
9.4 .9731 .9736 .9741 .9745 .9750 .9754 .9759 .9763 .9768 .9773
9.5 .9777 .9782 .9786 .9791 .9795 .9800 .9805 .9809 .9814 .9818
9.6 .9823 .9827 .9832 .9836 .9841 .9845 .9850 .9854 .9859 .9863
9.7 .9868 .9872 .9877 .9881 .9886 .9890 .9894 .9899 .9903 .9908
9.8 .9912 .9917 .9921 .9926 .9930 .9934 .9939 .9943 .9948 .9952
9.9 .9956 .9961 .9965 .9969 .9974 .9978 .9983 .9987 .9991 .9996

位(くらい)の求値 編集

常用対数を利用して、非常に大きい数や小さい数の位を求めることができる。例えば x が自然数の場合、x の桁数を n とすると(log10 x] + 1 により求まる)、x の最高位 a (a = 1~9) は

a × 10n-1 ≤ x < (a + 1) × 10n-;1

すなわち

log10 a ≤ log10 x − (n - 1) < log10 (a + 1)

で与えられる。それを知るには、

log10 2 ≒ 0.3010
log10 3 ≒ 0.4771
log10 7 ≒ 0.8451

を知ればよい。例えば log10 5 = 1 - log10 2 などにより、1桁 (1~9) の常用対数の概数が求まる。

有理性 編集

10 の倍数でない自然数の常用対数は無理数である。したがって、常用対数表に現れる数値は log10 1.00 = 0.0000 以外全て無理数であり、小数第5位で四捨五入してある。

二進対数[5] 編集

二進対数 (にしんたいすう)は数学において、2を底とするlog2 n である。

コンピューターへの応用 編集

情報理論 編集

二進対数は、二進法と密接に関係しているため、計算機科学情報理論でしばしば使われる。この文脈において、lg n とよく書かれる。同じ関数の別の表記としてときどき(特にドイツ語で)使われるものとして ld n があり、これはラテン語の logarithmus duālis から来ている。ただし ISO 31-11では、lg (n) は log10 n と見なされるので、lb (n) と表記すべきだと規定されている。正の整数 n2進数におけるの数(ビットのこと)は 1 + lb n の整数部分であり、以下の床関数で表される。

 \lfloor \operatorname{lb}\, n\rfloor + 1 \

情報理論では、自己情報量と情報量の定義は二進対数を含んでいる。これは情報量の単位であるビットあるいはシャノンが、同一確率の2つの事象の一方の発生から得られる情報量を表すためである。

計算複雑性 編集

二進対数は、アルゴリズム解析で頻出する。1より大きな数 n を2で繰り返し割っていき、その値が1以下になるようにするのに必要な繰り返しの数は lb n の整数部分として求められる。この考えは、多くのアルゴリズムデータ構造の分析で使用される。例えば、二分検索では、解決されるべき問題の大きさは操作の繰り返しごとに半分になる。ゆえに、大きさ1の問題を得るには大まかに lb n 回の繰り返しが必要となり、あとは簡単に定数時間で終了する。同様に、n 個の要素からなる完全平衡二分探索木は、lb n + 1 の高さをもつ。

しかし、アルゴリズムの実行時間は通常、定数部分を無視して、ランダウの記号で表記される。k が1より大きい数を取る時、log2 n = (1/logk 2)logk n であるので、O(log2 n) の実行時間をもつアルゴリズムは、例えば、O(log13 n) の時間で実行できるともいえる。ゆえに、O(log n) や O(n log n) といった式の対数の底は重要ではない。ただし、他の文脈では対数の底を指定することが必要な場合もある。例えば O(2lb n) は O(2ln n) とは同じ時間では終わらない、前者は O(n) と同じで、後者は O(n0.6931...) と同じだからである。

n lb n の実行時間をもつアルゴリズムは、しばしば線形対数と呼ばれる。O(lb n) や O(n lb n) の実行時間をもつアルゴリズムの例として以下があげられる。

電卓の使用法 編集

log2のボタンを持たない電卓でlog2(n)を計算する簡単な方法は、関数電卓で最も見受けられる自然対数"ln"と常用対数"log"のボタンを使う方法である。この方法に対する特別な底の変換公式は以下のようになる。

log2(n) = ln(n)/ln(2) = log(n)/log(2)

なので、

log2(n) = loge(n)×1.442695... = log10(n)×3.321928...

となる。これは、loge(n) + log10(n)が0.6%以内の差でlog2(n)と一致するという興味深い結果を与える。実際のところ、loge(n) + log10(n)は、e1/(1+log10e) = 101/(1 + loge10)≈ 2.00813 59293 46243 95422 87563 25191  (有効数字32桁まで)を底とするlog2.0081359...(n)である。

アルゴリズム 編集

整数 編集

小数点以下の切り上げや切り捨てによる丸めを行って、二進対数を整数から整数への関数に変形することができる。これら(切り上げおよび切り下げの)二つの整数二進対数は等式

 \lfloor \log_2(n) \rfloor = \lceil \log_2(n + 1) \rceil - 1, \text{ if }n \ge 1

の関係がある。この定義は、 \lfloor \log_2(0) \rfloor = -1 とおいて定義域を (n≧0 まで) 拡張できる。このように拡張した関数は x の32ビット符号無し二進表示におけるテンプレート:仮リンク nlz(x) と

\lfloor \log_2(n) \rfloor = 31 - \operatorname{nlz}(n)

の関係にある。この整数二進対数は、入力における(0を見たときの)最上位1ビットの番号(index)と解釈することができる。その意味でこれは、最下位1ビットの番号を求める「最初の1検出」の補数表現 (complement) になっている。

実数 編集

一般の正の実数に対して、二進対数は2つの手順で計算できる。

  1. 整数部分 \lfloor\operatorname{lb}(x)\rfloor を計算する。
  2. 小数部分を計算する。

整数部分の計算は簡単である。任意の x > 0 に対して、2n ≤ x < 2n+1となるような、あるいは同じことだが、1 ≤ 2nx < 2 となるような、ただ1つの整数 n が存在する、。このとき、対数の整数部分は単純に n であり、小数部分はlb(2nx)である。言い換えると

\operatorname{lb}(x) = n + \operatorname{lb}(y) \quad\text{where } y = 2^{-n}x \text{ and } y \in [1,2)

結果の小数部分は\operatorname{lb} yであり、初等的な掛け算割り算のみを使って再帰的に計算できる。小数部分の計算方法は以下の手順になる。

  1. まず、実数y \in [1,2)から始める。y=1ならば、小数部分は0となって、その時点で終了である。
  2. y=1でなければ、y2乗することを結果が z \in [2,4) になるまで繰り返す。2乗した回数を m とする。すなわち、z = y^{2\uparrow m} であって、mz \in [2,4) となるように選ばれている。
  3. 両辺の対数をとり、いくつかの演算を施す。
    \begin{align}
\operatorname{lb}\,z &= 2^m \operatorname{lb}\,y \\
\operatorname{lb}\,y &= \frac{ \operatorname{lb} z }{ 2^m } \\
&= \frac{ 1 + \operatorname{lb}(z/2) }{ 2^m } \\
&= 2^{-m} + 2^{-m}\operatorname{lb}(z/2)
\end{align}
  4. z/2 は再び区間 [1,2) にある実数であることに注意する。
  5. 手順1に戻り、z/2の二進対数を、同じ手法で繰り返し計算する。

この結果は、以下の式で説明される。ただし、m_i はアルゴリズムの i 番目の繰り返しにおいて2乗を行った回数である。

\begin{align}
\operatorname{lb}\,x &= n + 2^{-m_1} \left( 1 + 2^{-m_2} \left( 1 + 2^{-m_3} \left( 1 + \cdots \right)\right)\right) \\
&= n + 2^{-m_1} + 2^{-m_1-m_2} + 2^{-m_1-m_2-m_3} + \cdots
\end{align}

手順1において小数部分が0であることが分かった場合、これはあるところで終了する「有限」列である。そうでなければ、m_i>0 だから各項がその前の項よりも真に小さいため、比較判定法によって収束する無限級数である。実用的な使用においては、この無限級数は近似値になるように切り捨てられなければならない。級数のi番目の項より後ろを切り捨てられたならば、最終結果における誤差2^{-(m_1+m_2+\cdots+m_i)}より小さいとなる。

幸運な事に、実際は演算や無限級数の切り捨てを全くせずに、計算をして誤差の幅を知る事ができる。1.65の二進対数を小数点以下4桁まで計算したいとしよう。以下の手順を、4回繰り返せば良い。

  1. 実数を2乗する。
  2. もし2乗した値が2以上であれば、2で割って1と書く。そうでなければ0と書く。

書いた数は2進法で書かれた対数である。これは1と2の間にあるどんな数で始めてもうまくいく。したがって

    • 1.65を2乗すると2.72となる。これは2より大きいので、半分にして1.36を得、小数点1桁目は1と書く。
    • 1.36を2乗すると1.85となる。これは2より小さいので、半分にせず、小数点2桁目は0と書く。
    • 1.85を2乗すると3.43となる。これは2より大きいので、半分にして1.72を得、小数点3桁目は1と書く。
    • 1.72を2乗すると2.95となる。これは2より大きいので、小数点4桁目は1と書く(4桁目で計算終了なので、2.95を半分にする必要はない)

1011まで書くと、1.65の二進対数を二進法で表した数字は0.1011(分数として表記すると13/16)になり、誤差は1/16より小さくなる。1/32のくらいまで計算した時は、27/32であり誤差は1/32より小さくなる。一般に、0.5 の 1+N 乗より小さい誤差を得るためには、N回2乗することと高々N回半分にする事が必要である。

古典的な定義 編集

正の実数 x に対して

x = 10^7 \left(1-{1 \over 10^7}\right)^p

を満たす実数 p が唯一つ定まる。この p のことを ネイピアの対数という。ネイピアは、1594年に対数の概念に到達し、この定義を用い 20年間計算を続け 7桁の数の対数表を作成し1614年に発表した。

正の実数 x に対して

x = 10^8 \left(1+{1 \over 10^4}\right)^p

を満たす実数 p が唯一つ定まる。この p のことをビュルギの対数という。ビュルギは、ネイピアよりも早い1588年に対数の概念を発見したが、1620年まで公表しなかったため、対数の発見者としてはネイピアが称えられることが多い。

ベキの表記 編集

三角関数において例えば (\sin x)^2 の意味で \sin^2 x と書くのと同様に、対数関数に対しても(2 以上の整数nに対して) \log^n x という表記が使われることがある。

余対数 編集

逆数の対数

\mathrm{colog}_a{x} = \log_a{1 \over x} = - \log_a{x} = \log_{1/a}{x}

を a を底とする 余対数 と呼ぶ。

対数の性質 編集

a, b は 1 ではない正の実数、x, y は正の実数、p は実数、ln x は自然対数を表すとする。

基本的な演算 編集

定義により

a^{\log_a x} = x

真数の積は、対数の和に変換される。逆に(底が同じ)対数の和は、真数の積に変換される。

\log_{a}(xy)=\log_{a}x+\log_{a}y

真数の指数は、対数の定数倍に変換される。

\log_a x^p = p \ \log_a x

真数の逆数は、対数の符号を反転させる。

\log_a {1 \over x} = \log_a x^{-1} = -\log_a x

真数の商は、対数の差になる。逆に(底が同じ)対数の差は、真数の商に変換される。

\log_a {x \over y} = \log_a \left(x \cdot {1 \over y}\right) = \log_a x -\log_a y

底を a から b へ取り替えたいときは

\left(\log_a x\right) \left(\log_b a\right) = \log_b a^{\log_a x} = \log_b x

より

\log_a x = {\log_b x \over \log_b a}

となる。これを底の変換という。正の実数 x が 1 でないならば、b = x とすることにより

\log_a x = {1 \over \log_x a}

底の逆数は、対数の符号を反転させる。

\log_{1 \over a} x = {\log_a x \over \log_a {1 \over a}} = - \log_a x

対数の値の大きさに関する性質 編集

底の値によらず、真数が 1 のとき対数は 0 である。

\log_{a} 1=0\,

1 < a の時、対数は狭義単調増加

x < y \Leftrightarrow \log_{a}x < \log_{a}y
\lim_{x\to+0}\log_a x= -\infty
\lim_{x\to+\infty}\log_a x= +\infty

0 < a < 1 の時、対数は狭義単調減少

x < y \Leftrightarrow \log_{a} x > \log_{a} y
\lim_{x\to+0}\log_a x= +\infty
\lim_{x\to+\infty}\log_a x= -\infty

対数の発散はとても緩やかであり p > 0 に対して

\lim_{x\to+\infty}{|\log_a x| \over x^p} = 0

解析学における公式 編集

微分に関する公式

{d \over dx} \ln x = {1 \over x}
{d \over dx} \log_a x = {1 \over x \ln a} = {\log_a e \over x}

マクローリン展開

\ln(1-x) = -\sum^{\infin}_{n=1} {1 \over n} x^n , (|x| < 1)

積分に関する公式(以下の不定積分において C は積分定数とする)

\int {1 \over x} dx = \ln |x| + C
\int \ln x dx = x \ln x -x + C
\int \log_a x dx = { x \ln x -x \over \ln a} +C = x \log_a x -x \log_a e + C = x \log_a \left({x \over e}\right) +C

実生活での活用例 編集

デシベル、ネーパー、マグニチュード、ph、片対数グラフ、両対数グラフなど、物理量などの振れ幅が極端に大きい場合には、対数をとることで比較しやすくなる。

脚注 編集

  1. http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E5%AF%BE%E6%95%B0
  2. http://ja.wikipedia.org/wiki/2%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%84%B6%E5%AF%BE%E6%95%B0
  3. http://mathworld.wolfram.com/NaturalLogarithmof2.html
  4. http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E7%94%A8%E5%AF%BE%E6%95%B0
  5. http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%80%B2%E5%AF%BE%E6%95%B0

関連項目 編集

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