ピタゴラス数とは、 を満たすa, b, cの数のことを言う。
例として、
- a = 6
- b = 8
- c = 10
とする。このとき、
なので成立する。
既約ピタゴラス数[]
ピタゴラス数a, b, cに対し、公約数を持たない場合におけるピタゴラス数を、既約ピタゴラス数と呼ぶ。
公約数を持たない数を、特別に既約ピタゴラス数と名づけるのは、既約ピタゴラス数ではないピタゴラス数は、各a, b, cに対して、任意の数dを掛け合わせることにより、簡単に作ることが可能だからだ。
と置く。このとき、ピタゴラス数の定義により
が成立する。このとき
である。これは
にすることができる。このとき、a, b, cはピタゴラス数であると仮定した。そのため、a, b, cに対して整数dをかけても成立する。
性質[]
a, b, cの全てが偶数にはならない[]
a, b, cの全てが偶数であると仮定する。
このとき、偶数の約数は、最低でも2になる。a, b, cは偶数であった。従って全てのa, b, cは共通の約数として2を持つ。
しかし、既約ピタゴラス数の定義では、共通の約数を持たないため、仮定と矛盾する。従ってa, b, cは全て偶数ではない。